ファルマシア
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カルボスチリル基を利用した細胞内での新たなRNA検出法
田島 俊彦
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2014 年 50 巻 9 号 p. 918

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抄録

医薬品や生理活性物質の骨格としてよく用いられるカルボスチリル基は,光吸収性を持ち,この性質を利用した生体分子の検出が可能である.ランタノイド錯体が近接するカルボスチリル基は光吸収後,ランタノイド錯体にエネルギー移動を起こすことで,その発光を誘起する(図1).この原理を利用した生体分子の検出が,最近,多数報告されている.また,光吸収のない3,4-ジヒドロカルボスチリル基を光照射でカルボスチリル基に変換して検出する方法が1970年代に報告されている.本稿では,最近報告された光吸収基(カルボスチリル基)形成と図1に示す発光原理を組み合わせた,極めて精度の高いRNA検出法について紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Nishi T., Pharm. Tech. Jpn., 25, 2205-2211 (2009).
2) Kido M. et al., Yakugaku Zasshi, 97, 1-4 (1977).
3) Saneyoshi H. et al., J. Am. Chem. Soc., 135, 13632-13635 (2013).

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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