ファルマシア
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2015 年 51 巻 11 号 p. 1026-1027

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抄録

特集にあたって:我々の身体を構成する細胞は,力(重力や伸展,浸透圧など)や電気,温度,超音波など様々な物理的刺激を識別感知するセンサー(物理受容器)を持っており,薬による化学刺激とは異なる医療標的として注目を集めている.文部科学省も,平成27年度の革新的先端研究開発支援事業の研究開発目標として「革新的医療機器及び医療技術の創出につながるメカノバイオロジー機構の解明」を発表した.メカノバイオロジーという学問分野は薬学関係者にとっても重要な領域であり,薬学との相加相乗効果が健康長寿社会の実現につながる医療技術開発を加速させる可能性が期待できる.医工学との連携を意識した本企画が,薬学分野の発展に貢献できれば幸いである. 表紙の説明:微弱電流や運動(機械伸展)などの物理的刺激が,細胞膜の物理受容器を活性化し,糖代謝機能や免疫機能の維持に寄与することを示している(メカノバイオロジー).一方,医薬品は物理受容器とは異なる作用点(化学受容器)を介して薬効を示す場合が多いことから,メカノバイオロジーと薬の融合が,相加相乗的な治療効果を生む可能性を示している.

© 2015 The Pharmaceutical Society of Japan
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