骨基質にはコラーゲン以外に非コラーゲン性タンパク質が含まれ,オステオカルシンは後者の約20%を占め最も量が多い.1分子中に2~3残基のγ-カルボキシグルタミン酸(Gla)を含む骨の酸性タンパク質で,分子量は約6,000でカルシウム結合能(Kd=0.1μM)を持つ.成熟した骨芽細胞での産生が顕著で,含まれるGla残基はグルタミン酸残基がビタミンK依存的にカルボキシ化されることによる.骨芽細胞で産生されたオステオカルシンは,アパタイト結晶とともに骨組織に沈着する.活性型ビタミンD3によりオステオカルシン遺伝子発現が促進される.骨芽細胞の同定や分化マーカーとしても利用される.