ファルマシア
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接触性皮膚炎の治療標的としてのインスリン様成長因子IGF-1
臼田 春樹
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2015 年 51 巻 3 号 p. 256

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抄録

アレルギー性接触皮膚炎(allergic contact dermatitis:ACD)は,金属や化学物質などの抗原が皮膚に反復曝露されることによってアレルギー体質が形成(感作)された結果,かゆみや水疱などのアレルギー反応を生じる疾患である.マウスでは,皮膚にハプテン(特定のタンパク質と結合することで初めて免疫応答を起こす完全な抗原になる物質)である2,4-dinitrofluorobenzene(DNFB)を塗布すると,DNFBが皮膚タンパクと結合して完全抗原となり,それが体内に取り込まれて感作が成立する.その後,再びDNFBを塗布するとACDと類似した皮膚炎症(contact hypersensitivity:CHS)が生じることから,CHSモデルはACDの動物モデルとして汎用されている.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Tomura M. et al., J. Clin. Invest., 120, 883-893 (2010).
2) Anguela X. M. et al., Diabetes, 62, 551-560 (2013).
3) Bjarki J. et al., Dis. Model. Mech., 10, 977-985 (2014).

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© 2015 The Pharmaceutical Society of Japan
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