ファルマシア
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薬薬連携つながる病院・薬局
第9回 京都 外来患者におけるチーム医療の実践
松原 和夫
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2015 年 51 巻 4 号 p. 343-345

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抄録

質が高く,安心・安全な医療を求める患者・家族の声が高まる一方で,医療の高度化・複雑化に伴う業務の増大により医療現場の疲弊が指摘されるなど,医療の在り方が根本的に問われる今日,「チーム医療」は,我が国の医療の在り方を変え得るキーワードとして注目を集めている.厚生労働省も2010年4月30日付けで医政局長通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」を発出し,患者の状況に的確に対応した医療を提供する「チーム医療」を推進するように指示している.そのようななか,入院医療において薬剤師が主体的に関与するチーム医療は進展を遂げつつあるといえる.
一方で,医療は外来(在宅)へとシフトし,保険薬局の薬剤師には的確な服薬指導と医師(病院)への情報のフィードバックが求められている.つまり,外来の患者に良質な医療を提供するためには,保険薬局の薬剤師も医療チームの一員となる必要性を示す.例えば,がん化学療法に当たって病院薬剤師は,レジメンのチェック,抗がん剤の説明や副作用モニタリング,支持療法の提案などを実施している.しかし,最近は分子標的薬など経口抗がん剤が増加しており,患者の服薬状況の把握や副作用が発現した場合の対応など,病院薬剤師が対処しにくい場面が増えている.このような場合,保険薬局の薬剤師が医療チームの一員として積極的に関与することによって,化学療法の有効性と安全性が担保できる.また,血糖コントロールや喘息治療などにおいても,同様な病診薬連携によるチーム医療が必要である.これらのためには,病院と保険薬局が密接に連携する必要があり,「トレーシングレポート(施設間情報提供書)」などの情報ツールを有効に利用することが求められる.また退院時には,退院時服薬サマリーとして保険薬局に情報提供し,患者の薬学管理がシームレスに入院から在宅に引き継がれることが重要である.
本稿においては,病院と薬局における患者情報の共有(病診薬連携)について,京都大学医学部附属病院(京大病院)における例を紹介する.

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© 2015 The Pharmaceutical Society of Japan
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