2015 年 51 巻 4 号 p. 346-348
がん医療に携わる薬剤師に初めて認定制度が発足したのは平成18年度のことである.日本病院薬剤師会が設立した「がん専門薬剤師」が現在の病院勤務の薬剤師における認定制度の先駆けとなり,今日ではいろいろな専門分野で薬剤師の認定制度が形作られている.平成26年度診療報酬改定では「がん患者指導管理料3」が新設され,薬剤師が抗悪性腫瘍剤の投薬または注射の必要性等について文書により説明を行った場合に算定が可能となった.算定の施設基準として,一定の要件を満たした薬剤師の配置が必要とされており,がん領域の認定は,チームという概念ではなく,薬剤師個人に与えられる称号として,とても重い責任を担うべき医療従事者として認められたといっても過言ではないだろう(もちろん,この診療報酬は医師であっても算定は可能である).それはなぜだろうか.