ファルマシア
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間葉内皮転換が心臓の血管新生に関与する
今西 正樹
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2015 年 51 巻 7 号 p. 707

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抄録

心筋梗塞は心筋細胞に酸素や栄養を供給している冠動脈の閉塞や狭窄によって発症し,心筋細胞の機能障害や心筋細胞死を引き起こす.このような急性の心臓傷害に対して心臓線維芽細胞は,増殖,線維化することで,心臓構造の修復において中心的な役割を果たす.線維芽細胞は種々の増殖因子や細胞外基質タンパクを分泌し,心臓の構造や収縮,機能などの維持に寄与する.特に,線維芽細胞増殖因子や血管内皮細胞増殖因子は,内皮細胞に作用することで血管新生や側副血行路の形成に関与し,傷害部の血流を回復させることが知られている.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Souders C. A. et al., Circ. Res., 105, 1164-1176 (2009).
2) Zeisberg M. E. et al., Nat. Med., 13, 952-961 (2007).
3) Ubil E. et al., Nature, 514, 585-590 (2014).

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© 2015 The Pharmaceutical Society of Japan
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