ファルマシア
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インシデント対策を介した薬剤師の「医療の質」向上への貢献
野村 英宏山本 雅人長尾 能雅
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2016 年 52 巻 1 号 p. 16-20

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抄録

医療界では「医療の質」の確保が必要と言われるようになった.その背景には,医療に対する国民からの視線が一因としてある.情報化社会の急速な発展により,国民は最新の医療の情報を容易に手にすることが可能になり,医療の消費者とも言える国民の厳しい視線に強くさらされることとなった結果と言える.このように,医療を取り巻く環境の変化に応じるため医療の質の確保が必要となった.こういった状況の変化を受けて,我が国では厚生労働省を中心に医療の質を確保するための対策がなされてきた.その1つとしてインシデントの収集事業というものがある.インシデントとは,「患者に対し誤った医療行為が実施されるまえに発見,もしくは実施されたものの,特に患者に有害な事象が起きなかったもの」を指す.この事業により,各医療機関においてもインシデントの収集,業務改善を行うようになってきた.
今回,医療安全の経緯を説明し,薬剤師が行ったインシデントの収集解析から業務改善までの取り組みを紹介する.

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© 2016 The Pharmaceutical Society of Japan
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