2016 年 52 巻 10 号 p. 969
稲作はアジアを中心に南アメリカやアフリカなど広く普及しており,稲から可食部分として米,米糠が得られる.米糠に含まれるファイトケミカルに関する研究報告数が増加傾向にある中,赤米の米糠から得られた2種の抽出画分による抗がん作用として,ヒト由来がん細胞であるCaco-2,MCF-7,HL-60に対する細胞周期停止とアポトーシス誘導作用が報告されている.本稿では,マウス骨髄性白血病細胞(WEHI-3)を用いたRiceberry rice branの非鹸化抽出画分(RBDS)とその主要成分であるグラミステロール(GRA)の抗がん作用に関するSomintaraらの報告を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Leardkamolkarn V. et al., Food Chem., 125, 978-985 (2011).
2) Somintara S. et al., PLoS One., 11, e0146869 (2016).
3) Suttiarporn P. et al., Nurtients., 3, 1672-1687 (2015).