カチオン性リポソームとプラスミドDNAとを混合し,静電的相互作用に基づいて形成させた複合体をリポプレックスと呼ぶ.リポプレックスは数百ナノメーター程度の大きさを持つナノ粒子であるが,電荷比が正になるように調製されるため,負に帯電した細胞膜に結合した後,吸着性エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれ,遺伝子の発現が起こる.siRNAやアンチセンスODNに対しても同様の手法が応用可能である.リポプレックスの表面をリガンドや抗体で修飾すればアクティブターゲティングへの応用も可能である.カチオン性ポリマーを用いた複合体はポリプレックス,カチオン性リポソームとポリマーを併用した複合体はリポポリプレックスと呼ぶ