2016 年 52 巻 12 号 p. 1147-1149
当薬局のある安佐南区は、地域医療情報システム(Japan Medical Analysis Platform : JMAP)によると2010年時点での65歳以上の高齢化率は17%で、これが2040年には29.1%なると推計されている。国は2015年、患者のための薬局ビジョンとして「門前からかかりつけ、そして地域へ」を表明した。この中で、薬剤師が地域包括ケアの一員となりかかりつけ医をはじめとした多職種・関係機関との信頼関係を培いながら、真摯な取り組みを行う事が求められている。
つぼみ薬局は、2009年11月在宅専門薬局として開局した。2015年12月に【居宅療養管理指導】を算定した患者は11名で、居宅を訪問し薬に関する療養上の管理・指導・助言を行っている。一方、面で処方箋を受ける街角薬局という色合いも強くなり、どちらの病医院へ行っても薬はうちでという近隣の患者が増えている。
これまでに当薬局の取り組んできた事例を示し、「かかりつけ薬局」としてこれから加速するこの地区の高齢化に対し、一人ひとりの患者をその背景を知り支えていく必要があり、その中で必要な職種へ連絡する等、地域の社会資源を知る事が重要である。