ファルマシア
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アジア人に特徴的なチオプリン感受性要因:NUDT15多型
田中 庸一
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2016 年 52 巻 12 号 p. 1161

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抄録

6-メルカプトプリン(6-merca-ptopurine:6-MP)やアザチオプリンなどのチオプリンは,急性リンパ性白血病(acute lympho-blastic leukemia:ALL)や炎症性腸疾患の治療の中で主要な薬剤の1つとなっている.しかし,チオプリンへの治療感受性には個人差が大きく,患者によっては治療の中断や投与量の大幅な減量を必要とする場合がある.そのため,チオプリン感受性について患者要因の探索が行われてきており,欧米人ではチオプリン代謝酵素の1つであるチオプリンS-メチルトランスフェラーゼ(thiopurine S- methyl transferase:TPMT)の活性がその因子となっている.しかし,アジア人ではTPMT活性低下の頻度が低いため,他の遺伝要因の探索がゲノムワイド関連解析によって行われた.近年,NUDT15遺伝子多型がアジア人においてチオプリンによる骨髄抑制の重篤化に関連することが報告された.本稿では,NUDT15遺伝子多型によるチオプリン感受性変化と,そのメカニズムを示した論文について紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Relling M.V. et al., Clin. Pharmacol. Ther., 93, 324-325 (2013).
2) Yang S. K. et al., Nature Genet., 46, 1017-1020 (2014).
3) Yang J. J. et al., J. Clin. Oncol., 33, 1235-1242 (2015).
4) Moriyama T. et al., Nature Genet., 48, 367-373 (2016).

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© 2016 The Pharmaceutical Society of Japan
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