ファルマシア
Online ISSN : 2189-7026
Print ISSN : 0014-8601
ISSN-L : 0014-8601
オピニオン
iPS細胞で広がる創薬の可能性
山中 伸弥
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 52 巻 3 号 p. 197

詳細
抄録

iPS細胞は樹立当初から幅広い医療分野への貢献が期待され,臨床応用に向けた技術開発も加速度的に発展してきた.2014年には理化学研究所の高橋政代博士らにより,加齢黄斑変性を対象として,世界初のヒトiPS細胞を用いた臨床研究が開始され,他の疾患に対してもiPS細胞を使った治療がヒトで実施される日も視野に入りつつある.iPS細胞は,再生医療で注目を集めている一方で,創薬にも応用が可能である.iPS細胞を使って薬が開発されても,おそらく使用する方はiPS細胞が使われたことに気付かず目立たないが,私自身は,実はこちらの方が重要な使い方になると期待している.

著者関連情報
© 2016 The Pharmaceutical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top