2016 年 52 巻 5 号 p. 448
東田博士は、アルツハイマー病モデル動物の記憶障害を改善する生薬や漢方方剤を次々と見出し、それら生薬中から、軸索を修復させる成分の同定に成功した。また、活性成分の直接の結合タンパク質をDARTS法により同定し、分子シグナリング上流から調べていく手法を確立した。また脊髄損傷の運動機能を改善する薬物も見出し、その作用機序が、アストロサイトの役割を“善玉”に転換させることにあるという発見をした。東田博士は、治療薬シーズと新規治療メカニズムをともに見出すことのできる、この一連のアプローチで、研究成果の社会還元を目指している。