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認知症患者は増えている?
榊原 綾海
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キーワード: 認知症, 罹患率, 年代比較
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2017 年 53 巻 3 号 p. 267

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抄録

認知症は国際的に注目されている疾患であり,その患者数は世界的に年々増加している.世界の認知症患者数は2015年約6,480万人だったが,2050年には1億3,200万人と2015年の3倍に達すると国際アルツハイマー病協会により予測されている.厚生労働省の発表によると日本には現在400万人程度の認知症患者がいるとされ,2025年までには750万人を超すと予想されている.認知症患者数の増加に伴い,認知症治療コストも増加するため,治療コスト削減を目的とした認知症予防,発症リスクの解明および診断・治療法の確立は急務である.世界的にも高齢化は進んでおり,日本を含め特に高所得国で顕著である.世界的には,2050年には5人に1人が60歳以上となることが予想されている.したがって,近年の認知症患者数の増加が,高齢者数の増加によるものであるのか,罹患率の増加によるものであるのかは不明であった.このたび,年代間における認知症罹患率の変動が調査されたので紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Matthews F. E. et al., Nat. Commun., 7, 11398(2016).
2) Matthews F. E. et al., The Lancet, 382, 1405-1412(2013).

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© 2017 The Pharmaceutical Society of Japan
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