マクロピノサイトーシスは,エンドサイトーシス(細胞外物質が細胞内へ取り込まれる機構)の一種である.マクロピノサイトーシスの特徴として,低分子量Gタンパク質Racの活性化を含むシグナル伝達によって,アクチン骨格が重合し,形質膜の波打ち構造(ラメリポディア)が生じる.その形質膜の波打ち構造を利用して,細胞は通常1 µmを超える大きさで細胞外液を取り囲み,最終的に液胞を形成し,細胞内へ取り込む.特定のがん細胞において,細胞外の栄養分を効果的に細胞内に取り込むために,マクロピノサイトーシス機構が促進される場合が知られている.