ファルマシア
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FYI(用語解説)
スプライシング制御型アンチセンス
井上 貴雄
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2018 年 54 巻 10 号 p. 966_2

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抄録

スプライシング制御型アンチセンスはmRNA前駆体(pre-mRNA)に結合し,スプライシング因子とpre-mRNAの結合を阻害する一本鎖オリゴ核酸である.スプライシングを促進あるいは抑制するスプライシング因子を立体的に阻害することより,mRNAに取り込まれるエクソンを選別することが可能となり,これによりコドンの読み枠を正常化し,機能的なタンパク質を新たに発現させる.特定のエクソンがmRNAに取り込まれることを阻害するエクソンスキップ療法と,特定のエクソンをmRNAに取り込ませるエクソンインクルージョン療法が知られており,それぞれに対するスライシング制御型アンチセンスとして,Exondys 51®(一般名:eteplirsen)ならびにSpinraza®(一般名:nusinersen)が承認されている.

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© 2018 The Pharmaceutical Society of Japan
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