2018 年 54 巻 4 号 p. 351
ハロゲン化アルキルを基質とした金属触媒的な炭素-炭素(C-C)結合形成反応は,複雑な分子を構築するために重要な方法論であるが,一般にハロゲンで官能基化された位置などで特異的に反応が進行する.最近Martinらは,二酸化炭素存在下,臭化アルキルの臭素置換部から遠隔位に存在する末端炭素にてカルボキシル化を進行させる手法の開発に成功したので,本稿にて紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Juliá-Hernández F. et al., Nature, 545, 84-88(2017).
2) Mei T. -S. et al., Nature, 508, 340-344(2014).