ペプチドのGPCRは主要な創薬ターゲットの一つであるが、多くのGPCRはリガンドが決まっていない「オーファン受容体」である。新規のペプチドのGPCRは既知のものの配列や立体構造から予測ができないことがほとんどであるため、地道な逆薬理学的な手法やハイスループット評価系で決定を目指すことになるが、その試みの多くは「労多くして実りなし」という結果に終わることがしばしばである。最近、機械学習法に基づくペプチド‐GPCRペアの予測システムを開発し、哺乳類のモデル生物の一種であるホヤの新規ペプチド-GPCRを41%という高確率で実験的に実証した(Shiraishi et al. PNAS, 2019)。本予測システムは、ヒトをはじめとするあらゆる生物の新規ペプチド-受容体の決定やペプチド性医薬品候補の探索にも極めて有効だと考えられる。