2019 年 55 巻 10 号 p. 963_4
SILACは,細胞タンパク質を安定同位体標識することで,それらを質量分析計によって比較定量するプロテオーム解析法である.SILACでは,13Cまたは15Nなどの安定同位体を含むアミノ酸(リジン,アルギニンなど)に置き換えた培地中で細胞を培養し,代謝的に同位体標識された細胞プロテオーム(Heavyサンプル)を調整する.このHeavyサンプルと同位体標識されていないLightサンプルを混合し,酵素消化後に質量分析計で解析することで,両サンプル間での複数タンパク質の同時比較定量が可能となる.低分子標識された細胞タンパク質の同定を行うケミカルプロテオーム解析において,頻繁に用いられる.