2019 年 55 巻 11 号 p. 1044-1048
日本人の海外渡航者の数は増加している。海外渡航者の増加により、滞在先で何らかの感染症に罹患するケースが多くみられる。特に途上国での滞在ではそのリスクが高くなる。
渡航先での感染症予防には、出国前の渡航者用ワクチン接種が最も効果的な対策である。多くの感染症に対してワクチンが開発されているが、国内では未承認のワクチンや供給量に問題のあるケースが存在する。本稿では、こうした渡航者用ワクチンを紹介するとともに、渡航者用ワクチンにまつわる諸問題についても解説する。