ファルマシア
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自閉症マウスのセロトニン放出は社会性障害を改善する
パブラック 晶子
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2019 年 55 巻 4 号 p. 347

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抄録

自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder: ASD)は社会的コミュニケーションの障害や強いこだわりによる常同行動(同じ行動を繰り返す)などの症状を示す発達障害である.近年,いくつかの臨床試験で,オキシトシンがASDの社会性障害を改善することが報告されている.オキシトシンは,背側縫線核から側坐核に投射するセロトニン(5-HT)神経終末に作用して改善効果を示すとされているが,社会性における側坐核5-HT神経伝達の役割はあまり知られていない.本稿では光遺伝学を駆使して,ASDモデル動物の社会行動における5-HTの役割を調べたWalshらの研究について紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Yamasue H. et al., Mol. Psychiatry, Jun 29. doi: 10.1038/s41380-018-0097-2(2018).
2) Watanabe T. et al., Brain, 138, 3400-3412(2015).
3) Dölen G. et al., Nature, 501, 179-184(2013).
4) Walsh JJ. et al., Nature, 560, 589-594(2018).

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© 2019 The Pharmaceutical Society of Japan
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