ファルマシア
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FYI(用語解説)
老化細胞阻害(senomorphic)薬
石井 恭正安田 佳代
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2020 年 56 巻 11 号 p. 1027_1

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抄録

Senomorphic(老化細胞阻害)薬とは,老化細胞の表現型のうち,慢性炎症を惹起するなどの「負の作用」のみを阻害(主に,SASP因子の分泌を低下)する標的薬の総称である.生体にとって「正(抗ガン化作用など)」と「負」の作用を併せ持つ老化細胞を,特異的に死滅させる老化細胞除去(Senolytic)薬と対比して用いられる呼称である.現在,ドラッグ・リポジショニングの研究によって,mTOR阻害薬であるラパマイシン(Rapamycin),AMPK賦活剤であるメトホルミン(Metformin),JAK阻害剤であるルキソリチニブ(Ruxolitinib)などが有用視されている.

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© 2020 The Pharmaceutical Society of Japan
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