ファルマシア
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SARS-CoV-2 RNA依存性RNAポリメラーゼとレムデシビルとの複合体構造
桑原 直之
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2020 年 56 巻 12 号 p. 1133

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抄録

SARS-CoV-2ウイルスによる疾患(Corona Virus Disease 2019: COVID-19)は2019年末に中国武漢市で最初に報告され,その後世界中に感染が広がり,2020年3月11日にWHOはCOVID-19のパンデミックを宣言した.現在(2020年8月)までにSARS-CoV-2ウイルスは南極大陸を除く全ての大陸に広がり,感染者数は2.100万人以上,死者数は75万人以上に達している.このパンデミックに対し,多くの研究機関や製薬企業がそのワクチンや治療薬開発を急ピッチで進めているが,本稿では抗ウイルス薬レムデシビルとその標的分子であるSARS-CoV-2 RNA依存性RNAポリメラーゼ(RNA dependent RNA polymerase: RdRp)の複合体構造解析研究を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Yin W. et al., Science, 368, 1499-1504(2020).
2) Warren T. K. et al., Nature, 531, 381-385(2016).

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© 2020 The Pharmaceutical Society of Japan
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