ファルマシア
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ペンタフルオロテラン(ArTeF5)の合成と物性:医薬への導入は可能か
森崎 一宏
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2020 年 56 巻 4 号 p. 344

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抄録

高度にフッ素化されたペンタフルオロスルファニル(SF5)基は,オクタヘドラル構造を特徴とする,高い電子求引性や脂溶性を有する置換基であり,その高い安定性から生物活性物質への導入が検討されている.一方,SF5基のコンゲナーであるペンタフルオロテラニル(TeF5)基は,SF5基よりも立体的に嵩高く,高い脂溶性が期待されるものの,実用的な合成法は報告されておらず,その構造や安定性に関する知見は限られていた.今回Pitts,Santschi,Togniらは,独自に開発したペンタフルオロアリールスルファン(ArSF5)合成法を応用することで様々なペンタフルオロアリールテラン(ArTeF5)の合成に成功した.また,ArTeF5のX線構造解析やその反応性に関して種々検討したので紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Savoie P. R., Welch J. T., Chem. Rev., 115, 1130-1190(2015).
2) Pitts C. R. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 58, 1950-1954(2019).
3) Bornemann D. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 58, 12604-12608(2019).

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© 2020 The Pharmaceutical Society of Japan
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