ファルマシア
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アクアポリン
袁 博岡崎 真理平野 俊彦
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2020 年 56 巻 5 号 p. 431_4

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抄録

アクアポリン(Aquaporin: AQP)は,主として細胞膜に存在する膜貫通型タンパク質で,膜内外での浸透圧に依存した水の高速輸送を司る.水チャネルとも呼ばれる.ヒトにはAQP0からAQP12までの13種類のアイソフォームが存在し,それぞれ機能や構造,発現細胞,細胞内局在が異なる.なかには,水に加えてグリセリンや尿素などの小分子を通す分子種もある.
近年,AQPは白内障,腎性尿崩症,脳浮腫等の様々な疾患との関連性が報告されており,また,がん細胞の湿潤・転移にも関与することが明らかにされている.AQPの機能の更なる解明が,新規治療法開発への糸口となることが期待されている.

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© 2020 The Pharmaceutical Society of Japan
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