ファルマシア
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煎液にmicroRNA? 金銀花由来microRNAのウイルス増殖抑制作用
北村 雅史
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2020 年 56 巻 5 号 p. 440

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抄録

スイカズラ(Lonicera japonica)は北海道から九州および朝鮮半島,中国に分布するつる性の常緑低木である.金銀花はスイカズラの花を基原とした生薬で,5〜6月に咲く白い花が数日経過すると黄色く変化し,白と黄の花が咲いている姿から名づけられている.金銀花は清熱,解熱作用を期待し使用され,臨床では炎症や細菌性疾患によく用いられている.金銀花が配合される「銀翹散」は,清時代の医学書「温病条弁」に収載されている薬方であり,この銀翹散に基づく処方「銀翹解毒散」のエキスにインフルエンザウイルス増殖抑制効果が報告されている.今回,Huangらは金銀花由来のmicroRNA(miRNA)が水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の複製を阻害することを明らかにしたので紹介したい.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) 中薬大辞典,小学館,東京,1985, pp.523-526.
2) Miyazaki T., Nihon Yakurigaku Zasshi, 140, 62-65(2012).
3) Huang Y. et al., J. Neurovirol., 25, 457-463(2019).
4) Zhang L. et al., Cell Res., 22, 107-126(2012).
5) Zhou Z. et al., Cell Res., 25, 39-49(2015).

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© 2020 The Pharmaceutical Society of Japan
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