最前線
生体分子構造を電子励起解離を用いた質量分析で決定する
2021 年 57 巻 2 号 p. 119-123
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2021 年 57 巻 2 号 p. 119-123
本稿では、1998年に発見された質量分析における解離方法である電子捕獲解離(Electron Capture Dissociation: ECD)を、さらに拡張し高性能化した電子励起解離（Electron Activated Dissociation: EAD）の全般について、我々の最近の研究成果を紹介する。本研究により、従来解離法である衝突励起解離（Collision Induced Dissociation：CID）に比べ、異性体の構造決定がより高確度になった。先駆的なアプリケーションとして、タンパク質のトップダウン解析、糖ペプチド解析、ジスルフィド結合したペプチド、構造リピドミクスについて紹介する。
