アロディニア(allodynia,異痛症)とは,通常では痛みとして認識しない程度の接触や軽微な圧迫,寒冷などの非侵害性刺激が,痛みとして認識されてしまう感覚異常のことである.アロディニアは,末梢神経損傷,帯状疱疹,糖尿病性神経障害,抗がん剤による副作用などによる神経障害性疼痛で見られる.機械的アロディニアでは,衣服による摩擦などの日常的な刺激ですら痛みと感じてしまうため,生活の質が大きく毀損される.アロディニアの治療に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は無効で,プレガバリンやガバペンチンが利用されるが,より安価で「鎮痛」の効能を持つブシが利用できるならば,医療経済学的に有用であろう.