2021 年 57 巻 7 号 p. 625-629
抗体医薬品は、がんや自己免疫疾患を中心に、治療薬としての地位を確固たるものにしてきた。しかし、抗体の高い分子標的能を損なうことなく、治療効果のある薬剤を抗体に付加することができれば、さらに新たな高機能化治療薬開発へと道を開くことができる。この実現には、抗体と薬剤を連結するための、抗体の部位特異的修飾技術が必要となる。本稿では、我々が開発した抗体部位特異的修飾技術CCAP法と、これを利用した高機能性抗体として、抗体薬物複合体、二重特異性抗体への応用について紹介する。