ファルマシア
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発達期の脳におけるイソフルラン誘発性神経障害へのフェロトーシスの寄与
武田 洸樹
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2022 年 58 巻 1 号 p. 66

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抄録

イソフルランは麻酔深度を容易かつ迅速に制御でき,小児から成人まで幅広く使用されている吸入麻酔薬である.近年,イソフルランが発達期の脳において,記憶障害および学習障害を引き起こす可能性が示されている.
しかし,イソフルランによる神経障害のメカニズムについては未だ明らかになっておらず,予防策も確立されていない.本稿では,細胞死の1つであるフェロトーシスがイソフルランによる海馬神経障害と記憶障害に寄与することを,マウスを用いて明らかにしたLiuらの研究を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) McCann M. E. et al., BMJ, online 9 December.2019, doi:10.1136/bmj.l6459.
2) Liu P et al.,Cell Death Discov. 7, 72(2021).
3) Jiang X. et al., Nat. Rev. Mol. Cell Biol., 22, 266-282(2021).
4) Dixon S. J. et al., Cell, 1060-1072(2012).
5) Gao M. et al., Mol. Cell, 73, 354-363 e3(2019).

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© 2022 The Pharmaceutical Society of Japan
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