抄録
制御性T細胞(Regulatory T cell: Treg)は免疫抑制機能に特化したT細胞集団である.Tregのマスター転写因子であるFoxP3はTregの分化や機能において重要な役割を担い,FoxP3を誘導する化合物は抗原特異的免疫抑制薬として,あらゆる炎症性疾患への応用が期待できる.最新の研究により,cyclin-dependent kinase(CDK)8/19阻害薬が活性化T細胞に作用して高効率にFoxP3を誘導することが明らかとなった.本稿では,その分子生物学的機序について述べる.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Arnett A. et al., Mol. Cell Biol., 41, e0008521(2021).
2) Akamatsu M. et al., Sci. Immunol., 4, eaaw2707(2019).
3) Guo Z. et al., Front Immunol., 10, 1988(2019).