2022 年 58 巻 7 号 p. 683-685
近年、入院時に限らず、入院前の外来における常用薬確認に薬剤師が貢献している施設が増え、その取り組みについての報告を耳にする機会も増えてきた。特に抗血栓薬は、手術等の観血的医療行為を実施する際に、事前に薬剤の中止を要することがある。また同時に、術後は可能な限り早期の再開が推奨されている。周術期における薬剤師の介入は、タスク・シフト/シェアによる医師の業務負担軽減のみならず、適正な薬学的管理に基づく医療安全の確保においても重要な側面も担っている。本稿では、再開忘れ防止という視点から佐賀大学医学部附属病院における抗血栓薬に対する周術期の取り組みを紹介する。