ファルマシア
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2022 年 58 巻 9 号 p. 836-837

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抄録

特集:グリアデコーディングの現在とこれから
特集にあたって:グリア細胞は,神経細胞よりもはるかに多く脳内に存在するが,語源がGlue(糊)であるように,神経細胞を支える単なる脇役と考えられてきた.しかし近年,グリア細胞が脳の発達および生理的・病理的機能を積極的に制御していることが明らかになってきている.なかでも,脳血管や免疫細胞と密接に関連して,グリア細胞が脳と身体の相互作用の中核として機能していることが最近注目されている.本特集では,多様なグリア細胞の状態・機能・細胞間シグナル伝達を包括的に読み出すグリアデコーディング技術により明らかになってきた最先端のグリア研究を紹介するとともに,グリア細胞をターゲットとした脳疾患の診断法・薬物治療法の可能性についても考えてみたい.
表紙の説明:ヒトは外界から様々な刺激・情報を受け取ってこれに適応している.この適応において,身体(感覚器・臓器等)は情報を脳へ送り,脳は身体に指令を送り相互に調節し合う.その際,脳内では多種のグリア細胞と神経細胞が相互に影響し合うことで,生理的/病理的役割を果たす.我が国の最先端の研究技術により,多様なグリア機能の包括的な読み出し(グリアデコーディング)が現在進められており,脳の理解は飛躍的に進むと期待される.

© 2022 The Pharmaceutical Society of Japan
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