抄録
健康な皮膚を保つためには,皮膚そのものだけでなく皮膚に存在する常在菌についても理解する必要がある.皮膚常在菌には,代表的なものにアクネ菌,表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis: SE)や黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus: SA)があり,特にSAは食中毒の原因になることから有名である.ヒトと共生している菌の集団(菌叢)は,様々な種類で構成されてバランスを保っている.皮膚常在菌叢のバランスが乱れると,皮膚にトラブルが起こることが知られている.本稿では,皮膚常在菌が表皮細胞に与える影響を報告した論文を紹介する.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Naik S. et al., Science, 337, 1115–1119 (2012).
2) Clayton K. et al., Br. J. Dermatol., 188, 396–406 (2023).