抄録
2012年度の15歳未満の子供の数は約1694万人で、36年間毎年減少している。現在は共働き世帯がふえ、家事や育児に母親も父親も参加する家庭が多い。従って家事や子育てを楽に行えるような工夫や、子供の怪我や日常生活の汚れなどの対応ができるだけ軽減できる住空間が求められている。日本建築学会関東支部材料施工専門委員会ユニバーサルデサイン建材WGでの活動の一環として実施した「子育て用住宅の建材に関するアンケート」の結果から、建材選択における結果の考察を行い、今後必要とされる子育て住宅用の建材について検討したのでその一部を報告する。たとえば、どのような室内の汚れが気になるか挙げ、気になるものを居間,台所,子供室のそれぞれについて3つまで選択させた。居間では意識の男女差が少なく、壁紙のはがれ、床汚れが気になる傾向があった。台所では床材の汚れのほか、女性は壁紙の汚れも気にする傾向があった。子供室では男性が傷、床材の汚れが気になる傾向が見られたが、女性は壁面の汚れた壁、床、傷など意見が分かれていていることが特徴であった。全体として子供がつけた傷も汚れと同様に気にする傾向が見られた。