1998 年 35 巻 3 号 p. 271-281
本研究では筏式養殖施設の耐波安定性に関する検討やそれらの最適な設計指針を得るため,養殖施設の筏 に作周する波強制力、付加質量計数および造波減衰係数を理論的こ算定することを試みた。筏の形状は一般 的な10m×10mの筏と大型養殖施設を想定したバージタイプの筏枠である。同時に筏の構成部材単体に作用 する波強制力、付加質量係数あるいは造波減衰係数の算定結果をたし合わせることで全体に作用するこれ らの諸量を推定することも可能か検討を加えた。 算定の結果,従来型筏枠、バージタイプの筏枠とも波強制力、付加質量係数および造波減衰係数は入射波 周期によって大きく変化することがわかった。また,部材単体に作用する力をたし合わせて推定する場合, 鉛直方向の波強制力についてはある程度推定可能となるが,それ以外については一体物として算定した結果 との間に大きな違いがあることがわかった。