水産工学
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DGPS測位において位置精度を向上させる一手法の有効性
本村 紘治郎奥田 邦晴巽 重夫濵田 悦之
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2001 年 37 巻 3 号 p. 187-193

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抄録

我が国では現在,中波ビーコンを送信するDGPS局が整備運用されている。このDGPS局のサービスエ リア内で得られたDGPS位置の精度は2σで約4-5mであり,通常の航海における船位測定では十分な精 度である。しかし,これ以上の精度を要求する場合には, RTK-GPS装置や高精度のDGPS装置が必要であ る。本研究では,中波ビーコンを受信できるDGPS受信機を2台利用し,一方を基地局として経緯度誤差を 求め,これを補正値として他方のDGPS位置の経緯度を補正し, DGPS位置精度を向上させる簡易な手法の 有効性を検討した。結果は次のように要約された。 (1) DGPS位置を補正して得られた位置(以後, D-DGPS位置という)誤差の分布範囲はDGPS位置誤差 の分布範囲の約1/2になった。 (2) 2局で測定されたDGPS位置誤差の相関係数はほぼ0.8以上であった。 (3)両局の擬似距離補正データ受信後の経過時間の差が約10秒以下なら,補正効果に及ぼす影響は小さい。 (4) DGPS位置誤差とD-DGPS位置誤差はGPS衛星の配置に影響される。

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© 2001 日本水産工学会
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