北海道松前町ではホッケ籠漁業が行われている。このホッケ寵の最適設計のために,寵の設置時の安定性 について検討した。実験には円錐台形の籠Aと四角形の籠BおよびBの寵の底面にプラスチックの網目状の 防護材を取り付けた籠Cを用いた。寵の抗力は回流水槽で測定し,寵の向きを0度から90度まで15度毎に変化 させて行い,各姿勢について流速と抗力との関係を求めた。また,寵と砂地および岩盤との摩擦力を求める ために,平面水槽内に砂および岩盤に見立てたコンクリート板を敷きこの上を寵を曳いて摩擦力を計測した。 測定結果から,寵が滑り始めるのに必要な流速は,砂地の場合には籠Bが最も大きく,岩盤の場合には籠C が最も大きくなることが判った。転倒し始める流速については円錐台形の籠Aが最も大きくなった。また, 3つの寵とも転倒し始める流速は滑勤し始める流速より大きく,寵は転倒する前に滑勤し,寵が転倒する可 能性は少ないことが推定された。