日本水産工学会誌
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青森県尻屋の漁業者ダイバーによる磯焼け域におけるコンブ群落回復の試み
桐原 慎二藤川 義一
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2011 年 48 巻 1 号 p. 29-34

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抄録

青森県尻屋沿岸で,漁業者による磯焼け対策を試みた。2008年6月に26名の漁業者ダイバーが水深2.5〜20mにある計66地点に潜水し底棲生物の現存量を求めた結果,この四半世紀の間に経済的価値を持つマコンブ群落が半減し,裸地または雑海藻群落に遷移したと推察された。2008年11月に16名の漁業者ダイバーが4時間潜水して1haの試験区からキタムラサキウニを採取し,水深3〜5mにある雑海藻群落(ホンダワラ類とツノマタ,タンバノリが混生)に放流した結果,2009年2月には,試験区にコンブ目植物が出現し,放流したキタムラサキウニの身入りは経済的価値をもつ水準にまで向上した。このことにより,漁業者ダイバーがキタムラサキウニの移植放流という漁業活動を通じて持続的な磯焼け対策に取り組める可能性が示された。

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© 2011 日本水産工学会
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