2017 年 54 巻 3 号 p. 173-184
本研究では,波別解析法における個別波について,ゼロアップクロス法とゼロダウンクロス法で生じる波 高頻度分布の違いを検証した。波高頻度分布がRayleigh 確率密度分布になるとき,理論的には平均波高と 有義波高の比は1.579 となるが,本研究でシミュレートした波に対して理論値とかけ離れた値を示すものが あった。そこで,本研究では波高頻度分布がRayleigh 確率密度分布に従うという仮定のもと,適合度検定 を行った。その結果,ゼロアップクロス法で波高頻度分布がRayleigh 確率密度分布に従うにも関わらず, ゼロダウンクロス法では異なる結果が複数確認された。