水産工学
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カタクチイワシとウルメイワシの筋肉死後変化とカタクチイワシの短期蓄養によるATP濃度回復
江幡 恵吾 山下 裕輔井ノ原 康太不破 茂木村 郁夫保 聖子新町 利明
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 56 巻 3 号 p. 149-158

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抄録

棒受網漁業で漁獲されたカタクチイワシとウルメイワシを氷蔵保管し,筋肉中に含まれるATP 関連化合 物の濃度および死後硬直の変化を調べた。筋肉中に含まれるATP,ADP,AMP の合計量はカタクチイワ シよりウルメイワシの方が速く減少した。漁獲6 時間後までのK 値は,カタクチイワシで0 〜4.6%,ウル メイワシで0.1 〜4.2% で推移した。死後硬直の開始はウルメイワシよりもカタクチイワシの方が遅かった。 漁獲時に網内で激しい運動をしたカタクチイワシを生簀内で短期蓄養するモデル実験では,筋肉中のATP 濃度は72.2 時間後まで低い値を示し,96.2 時間後から回復する傾向があった。

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© 2020 日本水産工学会
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