インドネシアでは糖尿病患者数が急速に増えているため,合併症である糖尿病足潰瘍の効果的な予防ケアを確立することは喫緊の課題である.我々はインドネシアで看護師に糖尿病足潰瘍の予防ケアに関する教育プログラムを提供する機会を得た.糖尿病足潰瘍の予防ケアに関する基礎知識に関する講義,サーモグラフィを用いて前潰瘍状態をアセスする方法と爪白癬と足白癬を同定するための直接鏡検に関する演習がこのプログラムに含められた.11名の看護師がこのプログラムに参加した.すべての参加者はこのプログラムの終了後,糖尿病足潰瘍の予防ケアに関する理解が深まったと評価した.このプログラムはインドネシアに糖尿病足潰瘍の予防ケアを広めるきっかけとなったであろう.今後,糖尿病足潰瘍の予防ケアを普及させ,臨床に適用することが課題であり,インドネシアに適した形での予防ケア外来を創設する必要がある.