日本フットケア学会雑誌
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特集:フットケアに必要な靴と装具
関節リウマチ患者のフットケアの戦略,靴と装具の実践法の紹介
矢部 裕一朗
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2019 年 17 巻 1 号 p. 7-12

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抄録

【要旨】関節リウマチ足部疾患は見逃されやすいため,患者の足,靴,歩き方を見ること,患者の訴えを生活に合わせて伺うことが大切と考える.「爪が切れるか」の動作を確認して,下肢だけでなく上肢機能体幹機能も確認する.「下肢浮腫は,両側 or 片側?」,「レイノー現象,血管炎はあるか」,「皮膚潰瘍の確認」,「胼胝の確認」,「皮膚乾燥」,「靴の履き方,擦れ,靴紐が締解可能か」,「服薬,外用剤が使用できるか確認」等が観察ポイントと考える.フットケアチーム(患者,介護ケアする家族,地域医療関係者,医師,看護師,理学作業療法士,義肢装具士,靴小売業,ケアマネージャー等)で問題点の共通化をして,双方向性のコミュニケーションを持って合意を形成して,問題点の改善を図る.具体的に例示すると,MTP 関節周囲の足底胼胝では,メタタルザルバー,メタタルザルパッドを胼胝のやや踵よりに設置し,必要に応じ足底挿板を処方し,義肢装具士,靴業者に依頼している.足趾関節で PIP 関節炎や外反母趾的 MTP 関節炎では,靴アッパーヴァンプの靴革を鞣してあたる部位の靴革を伸ばす.関節リウマチフットケアでは,足部疾患の問題点を総括,ケアを継続していくことが必要と考える.

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© 2019 日本フットケア学会
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