日本フットケア学会雑誌
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特集:一から始める糖尿病フットケア
糖尿病と糖尿病足病変の成り立ちについて
家城 恭彦
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2019 年 17 巻 2 号 p. 67-72

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抄録

【要旨】糖尿病足病変の成因は,糖尿病神経障害,血流障害,易感染性の 3 つである.糖尿病神経障害のため,足は変形し皮膚も脆弱化することで,軽微な外因でも傷がつきやすくなるが,知覚鈍麻のため発見・処置が遅れ,潰瘍・壊疽にまで進展する.一方,動脈硬化症に伴う血流障害のため,虚血性潰瘍ができやすく治りも悪い.さらに,易感染性のため傷は容易に感染し,治りが遅れるどころかむしろ悪化して,下肢切断の可能性も高まってしまう.足病変の発症・悪化を予防し,下肢切断を回避するためには,この 3 要因を中心にその他のリスクも含めた評価と管理を定期的に行うことが重要である.そうした予防的なフットケアを実践するためには,診療科間,多職種間の垣根を越えて連携するチーム医療の構築が望ましい.

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© 2019 日本フットケア学会
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