日本薬理学雑誌
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ミニ総説号「カルシウムチャネル研究の新たなる展開」
Nタイプカルシウムチャネル
栗原 崇田邊 勉
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2003 年 121 巻 4 号 p. 211-222

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抄録

電位依存性Ca2+チャネルは細胞膜の脱分極を感知し,細胞外に高濃度に存在するCa2+を細胞内へ選択的に透過させ,多彩なCa2+依存性の生理現象,例えば神経伝達物質放出や膜興奮性調節,様々な細胞内酵素類の活性化·不活性化,遺伝子発現調節などを引き起こし,多種多様な生理機能調節において中心的な役割を果たしている.これらCa2+チャネルは一般に電気生理学的·薬理学的性質により一過性/低閾値活性化型(T型)および持続性/高閾値活性化型(L,N,P/Q,R型)に分類されている.近年Ca2+チャネルを構成するサブユニット構造が分子レベルで理解され始め,またCa2+チャネルの機能調節メカニズムに関する知見が著しく増加した.さらに最近このチャネルを構成する様々なサブユニットタンパク質の遺伝子欠損マウスが作製され,個体レベルにおける機能解析が急速に進みつつある.本稿では主に神経系に認められ,シナプス伝達の主体をなす神経伝達物質放出に必要なCa2+供給を担う主要なCa2+チャネルであるN型チャネルの機能解析を中心に最近の研究動向について概説する.

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© 2003 公益社団法人 日本薬理学会
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