日本薬理学雑誌
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シリーズ:ポストゲノムシークエンス時代の薬理学
ゲノムネットワーク
鈴木 善幸池尾 一穂五條堀 孝
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2005 年 126 巻 1 号 p. 55-59

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抄録

ゲノムネットワークとは,ある生物種のゲノムにコードされているタンパク質や転写制御領域などといった,いわゆる遺伝子情報が織り成す生体分子ネットワークの総体と定義され,それは転写制御ネットワーク,代謝ネットワーク,さらにはタンパク質ネットワークなどといった部分ネットワークから構成されている.これらのネットワークの進化については,これまでの先駆的な研究により,その構成要素であるタンパク質の獲得や喪失による進化史の一部が明らかにされるとともに,ネットワークの内部では部位によって進化的保存度が異なることや,構成要素であるタンパク質の進化がネットワークにおける他のタンパク質との相互作用による影響を受けていることなどといった進化機構の一部も明らかになってきている.ゲノムネットワークプロジェクトは,ヒトの様々な細胞における遺伝子発現様式,DNA-タンパク質相互作用,さらにはタンパク質-タンパク質相互作用などを網羅的に解明し,データベースを構築,そしてそれを用いて様々な研究を推進するという一大プロジェクトであり,ヒトにおける様々な疾患の発現機序などが解明されることが大いに期待されている.

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© 2005 公益社団法人 日本薬理学会
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