日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(3)その1:化合物を医薬品にするために必要な安全性試験
抗原性試験
佐久間 庄三
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2007 年 130 巻 3 号 p. 216-219

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抄録

抗原性試験は,薬物により誘発されるアレルギー反応を予測することを目的で実施する安全性試験である.薬物アレルギー反応はアナフィラキシーショックのような急性で重篤なものから,皮疹のような可視的なものまで色々とある.これらの反応を理解するには免疫学的な知識が不可欠である.各種アレルギー反応の簡単な解説を記載するとともに,我々が実施してきたいくつかの抗原性試験の方法を簡単に紹介する.近年,これまで行われてきた抗原性試験がヒトでの外挿性が低いことより,医薬品の承認要件よりはずれる傾向にはあるが,臨床試験や市販後のヒトへの投与においては抗原性に関する細心の注意が払われる必要があり,予測性の高い試験系の確立が望まれている.

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© 2007 公益社団法人 日本薬理学会
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