日本薬理学雑誌
治療薬シリーズ(26) 抗不整脈薬
抗不整脈薬の電気薬理学的基盤と心室性不整脈の治療
中谷 晴昭
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131 巻 (2008) 6 号 p. 446-451

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抄録

抗不整脈薬による不整脈治療に対する考え方は,過去20年間で大きく変化した.現在,抗不整脈薬の治療対象は主に心房細動と重症心室性不整脈に絞られている.また,抗不整脈薬の分類も古典的なVaughan Williamsの分類からSicilian Gambitに移行しつつある.それと共に,直接的にイオンチャネル作用薬を用いて不整脈を治療するdownstream approachばかりでなく,不整脈の発生基盤となる電気的リモデリングを神経液性因子の調節によって抑制するupstream approachも提唱されるようになった.心室性不整脈の病因に関しても,先天性QT延長症候群やBrugada症候群などの様にイオンチャネルの遺伝子異常に起因するものも存在することが明らかとなり,病因に応じた治療が行われている.また,重症心室性不整脈に関してもIII群抗不整脈薬が主に用いられる様になり,救急医療における抗不整脈薬の使用法も変わりつつある.本稿では抗不整脈薬の分類,不整脈の発生機構と心室性不整脈の薬物療法について概説する.

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© 2008 公益社団法人 日本薬理学会
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