日本薬理学雑誌
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新薬紹介総説
遺伝子組換え甲状腺癌術後診断補助剤ヒトチロトロピンアルファ(遺伝子組換え)(販売名:タイロゲン®筋注用0.9 mg)の薬理学的特長および臨床効果
岸田 博
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2009 年 134 巻 1 号 p. 28-34

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抄録

ヒトチロトロピン アルファ(遺伝子組換え)(以下rhTSH,販売名:タイロゲン®筋注用0.9 mg,製造販売元(輸入):佐藤製薬株式会社,製造元:Genzyme社(米国))は,分化型甲状腺癌で甲状腺全摘または準全摘術を施行された患者における,放射性ヨウ素シンチグラフィーと血清サイログロブリン(Tg)試験の併用またはTg試験による診断の補助をする薬剤である.甲状腺全摘または準全摘施行患者において,残存甲状腺組織の確認,再発あるいは転移癌を確認する際,臀部筋肉内にrhTSHを投与することで体内のTSHレベルを上げ,甲状腺組織を刺激することで,放射性ヨウ素の甲状腺組織への取り込み,Tgの血中への分泌を促し,シンチグラフィーおよびTg試験が実施できる.今までの術後診断では,放射性ヨウ素を取込ませ,Tg分泌を検査するために,甲状腺ホルモン剤の服用を中断し患者の内因性TSHのレベルをあげていたため,患者は,甲状腺機能低下症状に長期間さらされていた.しかしrhTSHを使うことで,甲状腺ホルモン剤の服用を中断しなくて良いため,患者のQOL低下の抑制が期待できる.

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© 2009 公益社団法人 日本薬理学会
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